生活習慣病について学ぶヘルスコアnote

健康管理や生活習慣病関連について、気になったことや調べたことなどを記事にしていきます。

HDLコレステロールはどこで作られるのか?から考える脂質異常症の解決策

今回はHDLコレステロールについての話をしていこうと思います。

HDLコレステロールは、全身に余ったコレステロールを肝臓に回収してくれるという非常に優秀な働きをしてくれています。

しかし検査項目の基準値を見てわかるように、体内におけるHDLコレステロールの割合がLDLコレステロールと比べて少ないことがわかります。

そのため、コレステロールが多くなりすぎてしまうような生活をしたり、HDLの産生を停滞させてしまうような健康状態では、簡単に基準値を下回ってしまいます。

そのため、HDLコレステロールが枯渇しないようにしていくにはどうしたらいいのかを知っておくことは、脂質異常症を改善するだけでなく、心筋梗塞脳梗塞などを予防する上でも重要なことであるといえます。

全てのメカニズムを理解することは困難ですが、要所を押さえてより良い健康習慣や行動につなげていけるように一緒に勉強していきましょう!

HDLがどうすると減少するのか?についての2つの仮説から考える

HDLコレステロールがどうすると減少するのだろうということを調べるためにまず考えたのは、減るということはHDLの合成が低下しているのかHDLの需要が多すぎて枯渇しまっているかどちらかであろうということです。

まずはHDLの体内で合成についてですが、これについても合成が低下するには2つの要因があるのではないかと考えられました。1つは合成に必要な材料が不足しまっているためではないかということ。もう1つは合成する臓器が障害されてしまっているのではないか?ということです。

HDLはどこで合成されるのか?

まずHDLの合成についてですが、主に肝臓と腸上皮で合成されています。なぜ主に肝臓と腸で合成されるのかというと、調べている中でわかったのは、HDLを構成するタンパク質の合成が基本的に肝臓と腸でしか行われないということです。

つまり腸や肝臓の機能が低下すれば、タンパク質合成が低下しHDLの合成が低下してしまう可能性があるということです。

肝機能を低下した疾患として肝炎や肝硬変などがありますが、これらは肝機能が低下することによって、コレステロール値が低下しやすい特徴があります。おそらく、肝臓の機能にタンパク質合成があるため、肝機能が低下することでタンパク質合成も低下してしまうということです。

また低栄養の場合でもHDLの低下が認められています。そもそも低栄養とは、タンパク質であるアルブミンが指標とされています。

低栄養はどのようにして起きるのかというと、タンパク質が十分に摂取できていなかったり、消化・吸収機能が低下していたり、感染やがんなどで栄養素の必要量が増大した時などに起こります。

これらから何がわかるのかというと、HDLを維持したり低下を防ぐためにはタンパク質合成が機能していることや合成臓器が十分に機能している必要があるということです。

そのため、血液検査の結果をみるときは脂質のデータだけでなく肝機能の指標を見ることも重要です。そして、肝機能を低下させやすい要因であるアルコールや薬、そして糖質の摂りすぎなどにも注意を払っていくことが、健康管理をしていく上で重要になってくるといえます。

HDLを構成する成分は何か?

次にHDLに必要な材料についてです。HDLは何によって構成されているのかというと、脂質50%、タンパク質が50%ほどと言われています。そしてHDLが合成される最初の段階では、コレステロールを含んでいない状態であるということです。

つまりHDLは約半分がタンパク質であり、前述したようにタンパク質合成が阻害されれば低下する可能性があるということです。

もう少し細かくみてみると、HDLを構成するタンパク質はアポタンパクと呼ばれ、文献の中ではapo-A1などとされています。そしてこのapo-A1を合成できるのが、主に肝臓と腸だけであるということです。それゆえ、HDLは肝機能の低下によって減少しやすいのだと考えられます。

また前述したように低栄養によってもHDLが低下してしまいます。そのため、食事においてタンパク質の必要量を摂取することも、HDLのコントロールにおいて重要な要因であると考えられます。

減量のためにカロリー制限などを取り入れたりする人も多いかもしれませんが、やはり三大栄養素の比率には配慮していくべきだといえます。

もしHDLが減少している場合、原因を考える参考にしてもらえたらと思います!

今回は量が多くなってしまったので、HDLが減少してしまうもう1つの考え方、《HDLの需要が多くなり枯渇してしまっているのではないか》については次回の記事に書いていこうと思います。